マーケティングオートメーション(MA)とは?自動化により業務効率が上がる
皆さんはマーケティングオートメーションについて、どのようなイメージがあるでしょうか?
聞いたことがあっても使い道がわからない人や、全て自動化できて何となく便利そうなイメージがある人もいらっしゃると思います。
マーケティングオートメーションは使い方次第で、業務の効率化に繋がります。
今回は、マーケティングオートメーションとは何か、出来ることなどをわかりやすくご紹介します。
マーケティングオートメーション(MA)とは?
マーケティングオートメーション(MA)の意味は、名前の通りマーケティングの自動化です。
ここで、細かくマーケティングの意味を掘り下げてみましょう。
マーケティングについて、有名なドラッカーの言葉があります。
実のところ、販売とマーケティングは逆である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。もちろんなんらかの販売は必要である。だがマーケティングの理想は、 販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。
PF ドラッカー(著者)、上田 惇生(翻訳) マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則 ダイヤモンド社より引用
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彼は、顧客自らサービスを欲しいと思わせる仕組みを作ることがマーケティングの理想だと言っています。
マーケティングオートメーションは、顧客がサービスを利用したい、と思うまでの一連の作業を自動化することです。
マーケティングオートメーションを利用すれば、人の手を必要とせずに「見込み客リストの収集、分析」「見込み客の育成」あるいは「販売の自動化」などを完了することができます。
マーケティングオートメーションはなぜ必要?
何となく意味は理解できても、はっきりとしたメリットや、本当に必要かどうか分からないという人もいらっしゃるでしょう。
これから以下の項目でこのような内容をご説明します。
- マーケティングオートメーションのメリット
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どんな施策で導入したら良い?
マーケティングオートメーションのメリット
マーケティングオートメーションの主なメリットは以下の2つです。
- リードナーチャリング(見込み顧客の育成)にかける工数削減になる
- 顧客の見込み度合いの分析が容易に行える
リードナーチャリング(見込み顧客の育成)にかける工数削減になる
マーケティングオートメーションによってリードナーチャリングの工数が減らせて、業務の負担が軽くなります。
検索ユーザーはネットの普及により、それぞれ自分たちで情報を集めて購買行動を決定しています。
このような個人の多様なニーズを探り、見込み顧客とするためのコンテンツ作成やメールの配信作業などを人力で行うことは効率的ではありません。
見込み顧客の育成というと、ステップメールを送ったりLPを作って訴求したりすることで顧客の 購買意欲を高めるといった方法があります。
これらの業務が自動化されるため、効率も上がりヒューマンエラーも減らすことにもなります。
顧客の見込み度合いの分析が容易に行える
マーケティングオートメーションを導入することで、顧客リストの管理や、施策ごとの結果を元にデータ分析をすることができます。
メールを閲覧した回数や、サイト訪問回数なども参考にして、まとまったデータを分析できるので、PDCAを回しながら施策の精度を素早く上げることが可能です。
そのため、見込み顧客のセグメント分けの質が高まり、より見込みの高い顧客に営業することもできます。
どんな施策で導入したら良いのか?
マーケティングオートメーションは、顧客育成に効果の高いコンテンツマーケティングとの相性が良いと言えます。
コンテンツマーケティングは、顧客の役に立つ情報を提供することで信頼関係を築いていけることが魅力です。
サービスの認知を獲得したい、または新たな見込み顧客を増やしたい場合でも、時間はかかりますが低コストで効果の高い施策です。
マーケティングオートメーション導入前にやった方が良いこと
マーケティングオートメーションはただ導入すれば良いわけでもありません。
一番の理想は業務の効率化だけでなく、売上を発生させる仕組みが機能していることです。
つまり、マーケティングの段階で上手くいっていない場合、マーケティングオートメーションを導入しても売上アップや見込み顧客獲得などの目標は達成できないということです。
施策を失敗させないため、もしくは失敗しても改善する糸口を見つけるため必要な事前準備として、以下の内容をこれからご紹介します。
- ペルソナ設定が結果を左右する
- カスタマージャーニーの設計で全体の流れを捉える
ペルソナ設定とは顧客となる人物を1人、出来る限り具体的に例を挙げて設定することです。
そして、カスタマージャーニーの設定は顧客の購買行動を図式化することで、どの段階でどの施策を実行するかなどの計画に利用できる方法になります。
以下でこれらの内容を深掘りしていきましょう。
ペルソナ設定が結果を左右する
マーケティングオートメーションの導入に限らず、あらゆるマーケティングでペルソナ設定は大切です。
現在仕事はしているのか?何の仕事か?家族構成は?など、できるだけ実在する人間をペルソナとして設定します。
ターゲットを絞りすぎると、見込み顧客を少ししか獲得できないのではないかと考える人もいらっしゃると思います。
ですが、全ての人向けのサービスというのは響くものがありません。
集客効果を高めるためにも、どのような人がサービスを利用しているのか、もしくは利用して欲しいのか明確に決めることが大切です。
カスタマージャーニーの設計で全体の流れを捉える
カスタマージャーニーの設計によって、顧客の購入に至るまでの流れを可視化して整理し、施策を考えます。
大まかな流れは以下になります。
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これを全て決めたからと言って初めから上手くいくとは限りません。
しかし、上手くいかない場合は何度も工夫して、何かずれはないか?どの工程で躓いているのかを可視化して確認することで改善できます。
マーケティングオートメーションの機能を説明
マーケティングオートメーションの基本的な機能は以下になります。
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顧客リスト管理は単に見込み顧客管理ツールとしても役立ち、スコアリングにより見込み顧客の情報をまとめることもできます。
さらにトラッキングによって、顧客が見ているサイトから関心度を把握することも可能です。
そして、見込み顧客の段階に応じて必要なメールを送信し、個別メールのような細かい内容も送信できます。
これらの機能をまとめて提供しているツールもあれば、それぞれの分野に特化したツールもあります。
価格については、無料のものから月額数十万もするものまで幅広くあります。
無料のものでも十分機能するものがあるので、実際の動きを理解するためにも無料ツールの導入から始めるのも良いでしょう。
また、MAツールの中には、MAツールに特化したもの、SFA(営業支援)やCRM(顧客の一括管理)の機能を持ったものがあります。
SFAやCRMを導入している、もしくはその予定がある場合はそれらと連携できるツールを選ぶのが良いでしょう。
まずは小さな一歩から
マーケティングオートメーションを導入する際は、まずペルソナ設定やカスタマージャーニーの設計によって目標を明確にすることが大切です。
まずは手軽に無料ツールの活用でも成果は生まれます。
いきなり全部を導入するよりも、無料ツールから始めてみることもおすすめですよ。
<参考・引用元>
PF ドラッカー(著者)、上田 惇生(翻訳) マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則 ダイヤモンド社 (書籍)
熊谷基継 MA / マーケティングオートメーション: 5分でできるMA導入と成功する8つのプロセス ENY Publishing (書籍)
小川共和 マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方 クロスメディア・マーケティング(インプレス) (書籍)