コロナで急増、オンライン営業とは? メリット・デメリット、ツールも解説します!
Webに切り替えるだけじゃない?オンラインでの営業活動
新型コロナウィルスにより、営業活動においても対面・接触をせずに行う「オンライン営業」や「インサイドセールス」を導入する企業が増えています。
オンライン営業とは、名の通り、パソコンやタブレットなどの端末でweb会議システムを使い、遠隔で行う営業活動のこと。カメラを利用すれば顔を見ながらの会話ができます。従来は営業担当者が見込み顧客のリストから、テレアポや訪問などで商談を設定。提案から受注・制約、クロージングへと進め、アフターフォローやその後のアップセル・クロスセルまでをも担当していました。
コロナの感染拡大防止により「対面できないから」と、ただオンラインに切り替えただけでは、これまでの全てのプロセスを営業担当者が担うことは困難で、営業効率も高まりません。営業活動をオンライン化するとともに、インサイドセールスも取り入れることで、効率と成約・受注率のアップが見込めます。
インサイドセールスとは「電話やメール、web会議システム等を用いて顧客とのコミュニケーションを行い営業をオンライン上で完結させる」のことです。
- マーケティング施策をもとに多くの見込み顧客から確度の高いリードを絞り、営業担当者に流す
- 見込みの低いリードは電話やメールなどでコミュニケーションを取って繋ぐ
- 既存顧客へ継続的にフォローを行い次回や追加購入の可能性を高める
などの業務をインサイドセールスの担当者が営業担当者に代わって行います。営業担当者にはオンライン営業で提案~クロージングに集中してもらい、インサイドセールスで顧客ごとのニーズに合った対応をすることで今後へ繋げていく、という役割分担により効率と売上の向上を図るというわけです。
オンライン営業のメリット・デメリット
オンライン営業のメリット・デメリットは次のような点が挙げられます。
<メリット>
- 移動の時間、コスト削減
訪問営業で1商談に計1時間の移動時間がかかると仮定し、日に2件の商談では1ヶ月間(20日)に移動だけで40時間費やすことになります。オンライン営業では、パソコンなどで顧客と繋がればすぐに商談を開始できるため、大幅な時間とコストの削減に。
- 商談数UP、リードタイム短縮
移動時間の削減分、新たな商談を設定できます。顧客側は商談場所の負担がなく「わざわざ来てもらう」といった心理的ハードルも下がるため、話を気軽に聞いてもらいやすくなる面も。また訪問営業ではアポイントが1週間後などだったのが、オンラインでは数日以内に設定しやすく、よりスピーディーに商談を実施することができます。
- 営業範囲の拡大
オンライン営業では、営業範囲を全国各地に広げることが可能です。出張のコスト削減や、出張できずに電話やメールで対応していた顧客にもより手厚いフォローやアプローチができるようになります。
- 営業活動の可視化
商談を録画して振り返りを行うことで、顧客との会話の分析や、万が一クレームが入った場合にも確認することができます。他担当者の商談テクニックやプロセスなどを共有することで、営業部全体のスキルアップがはかれます。
<デメリット>
- システム導入コスト
通信環境、パソコンなどの端末、カメラ、マイクなどの機器が必要となります。無料ツールもありますが、サポートつきの有料ツールの方がセキュリティ面では安心です。
- 信頼関係を築きにくい
訪問営業では商談以外にも「ごあいさつ」「資料をお持ちしました」といった形で、顧客と何度か顔を合わせてコミュニケーションを取る中で、関係性を深められました。オンライン営業では目的がはっきりしないとアポイントが取りづらく、関係性を築きづらいという課題があります。
- コミュニケーションがとりづらい
オンラインでは世間話や無駄話などの「潤滑油」となる会話が生まれにくいため、そこに紛れていた顧客の小さな情報や要望が汲み取れなくなります。また画面越しでは顧客のリアクションが掴みづらく、一方的に自社の説明をしてしまいがちになります。
- 通信環境などの影響を受ける
画面の乱れ、顧客のリアクションにタイムラグが発生する、テンポよく商談が進められない…など自社だけでなく顧客側の通信環境も整っていないと影響を受けることが。自社側の環境を整え、顧客側へ負担が少ないツールを利用するなどの工夫が必要です。
オンライン営業のプロセスと、スムーズな運用へのツール
企業によって、マーケティング部門、インサイドセールス部門、営業部門、それぞれの分担の範囲は異なりますが、多く導入されているオンライン営業は次のようなプロセスになります。
1.集客:メールやフォーム営業、SEO、広告、ウェビナーなど
マーケティング施策をもとにインサイドセールス部門がメールや広告、ウェビナーなどで見込み顧客(リード)の発掘を行います。獲得した見込み顧客のリストを整理し、より成約の可能性が高いリードを営業部門へと引き継ぎ。
2.アプローチ:電話、メール、フォーム営業
インサイドセールス部門が精査した確度の高い見込み顧客へ、営業部門が電話やメールでアプローチし、具体的な商談のためのアポイントを獲得。一方で、成約までの可能性が低い顧客にはインサイドセールス部門が適時、メールや電話などでコミュニケーションを取り、可能性を高めます。
3.商談:オンライン商談がメイン
営業担当者がパソコンやタブレットでweb会議システムを利用し、オンラインで提案やプレゼンテーションを行います。
4.契約:電子契約ツールでの契約締結
営業担当者がオンライン上で受注・成約。
アフターフォローなどはインサイドセールス部門が行い、次回以降のリピート購入や新たな提案へと関係性を繋げていきます。こうしたプロセスを成立させるには「情報管理」「コミュニケーション」「効率化」において以下のようなデジタルツールの導入を検討する必要があるでしょう。
<情報管理>
- 取引管理… SFA(セールスフォース・オートメーション。営業支援システム)
顧客に紐づいた商談の進捗状況、契約額の目安、成約確度など、取引に関するデータを可視化し、管理できます。
ツール:「Salesforce Sales Cloud」「Senses」「Microsoft Dynamics 365」など
- 顧客管理… CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント。顧客情報管理)
先述のSFAが案件ベースの情報管理に対して、CRMは顧客ごとの情報を一元管理するツールです。顧客との接点から商談・購入履歴、問い合わせや要望などの情報のほか、分析機能があるツールも提供されています。
ツール:「Salesforce」「Hub Spot」「kintone」「eセールスマネジャー Remix CLOUD」「Knowledge Suite」など
<コミュニケーション>
- web会議システム
インターネットを通じて、映像と音声のやり取りや、資料共有などを行うことができます。
ツール:「Zoom」「Google Meet」「Skype Meet Now」など
- オンライン商談ツール
映像と音声だけでなく、名刺交換、録画・録音、ポインターなど、商談をサポートする機能が実装されています。
ツール:「bellFace」「B-Room」「Remote Operator Sales」など
<効率化>
- チャット
職種問わずさまざまなリモートワークの場で利用されており、メールよりも手軽にコミュニケーションが図れます。
ツール:「Slack」「Chatwork」など
- webアンケート作成ツール
webアンケートでマーケティングやヒアリングを行うことで、顧客のニーズや満足度アップへ役立ちます。
ツール:「Googleフォーム」「CREATIVE SURVEY」など
- 電子契約サービス
契約書をデジタル化し、オンライン上で契約の締結まで完了できるサービスです。法的効力は一定の要件を満たしていれば、以前の紙文書と同等です。
ツール:「クラウドサイン」「B to Bプラットフォーム 契約書」など
リモートワークでのオンライン営業は、孤独な闘いのように思えますが、じつは訪問営業よりもデジタル活用によるチームや組織での対応が要となります。「非対面だから…」と顧客にマイナスな印象を抱かせないよう、ツールやデータなどを活用した「良質な商談体験」を提供し、業績アップへと繋げていきましょう。
〈参考サイト〉
HubSpot「日本の営業に関する意識・実態調査2021の結果をHubSpotが発表」https://www.hubspot.jp/company-news/stateofsales-20210208
SATORIマーケティングブログ「インサイドセールスとは?基礎知識と特徴やメリットを解説します!」
https://satori.marketing/marketing-blog/marketing-automation/insidesales-basic
SalesTechHub「THE MODELに学ぶインサイドセールスの営業組織モデル」
https://sth.bell-face.com/inside-sales/inside-sales-organizational-model/#i-9
BIZ FIGHTERS「オンライン営業のメリットと課題」
https://bizfighters.com/online-selling-benefits-challenges/
GENIEE’s library「オンライン商談を成功させるための7つのコツとは?」
https://geniee.co.jp/media/knowledge/online-negotiations/
Tele-Meeting Note「オンライン営業で成果を出すために意識したい5つのコツ」
https://remomee.jp/tele-meeting-note/sales/72/
THE OWNER「オンライン営業とは?訪問営業はもう古い!危機が後押しした新しい営業の形」
https://the-owner.jp/archives/3803
CX college「リモートワーク時代の営業方法|オンライン営業で成果を出すコツと役立つツール」
https://jp.creativesurvey.com/blog/posts/remotework-20200720/
Salesforce Hub「MA、SFA、CRMの違いと使い分けのポイントとは?」
https://www.salesforce.com/jp/hub/marketing/ma-sfa-crm-difference/