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コロナで市場が一変!マーケティングはどう対応すべき?

コロナによる生活と意識の変化、消費への影響

新型コロナウィルスのパンデミックは、私たちにさまざまな変化を及ぼしました。コロナ禍の消費や経済活動への影響や、アフターコロナではどういった傾向が見られるのでしょうか。

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マーケットトレンドはオンラインへ

外出自粛や時短営業などの影響で、商品やサービスを提供する企業、利用する消費者ともに、オンライン上での経済活動が増加しました。オンライン注文のテイクアウトや宅配サービスが急速に普及したり、商品の販売だけでなくセミナーやレッスンが開催されたり、窓口相談やさまざま体験など、各種分野でオンラインが活用されるようになりました。

消費者側は、オンラインショッピングなどに抵抗感のあった高齢層も、コロナ禍をきっかけに利用をはじめた方も多く見られ、すでに利用していた若年層においても、頻度や回数が増したとの調査結果が出ています。(*1)また他者との接触を減らすという観点から、支払いにクレジットカードや電子マネーなどの、キャッシュレス決済を選択する人の割合が急伸しました。(*2)

コロナのワクチン接種が進んでいますが、変異株への警戒などもあり、こうしたデジタル活用は企業・消費者ともに続いていくと見られ、最重要項目と考えられます。

消費はしばらく鈍化傾向

旅館や飲食店、娯楽施設などが緊急事態宣言によって大きな打撃を受けました。また外出自粛やテレワークにより、化粧品やアクセサリー、アパレル業界なども売り上げが低迷しています。一方で、自粛生活を充実させるための「巣ごもり消費」と呼ばれる、書籍やゲーム、映像、家具・家電などは購入額のアップが見られました。

しかし全体としては、コロナによる消費者の将来への不安感が高まりから、今後への備えとして消費を控える節約意識が強まっているようです。緊急事態宣言解除後は一時的に緩和するものの、ワクチン接種が進んで集団免疫が形成されるなど、事態が収束するまでは人々の消費は慎重になると見込まれています。

働き方・オフィス改革

政府からの要請により、リモートワークを推進する企業の割合が増えています。当初は緊急の対応として開始したものの、在宅勤務などのリモートワークを活用すれば全社員が毎日出社せずとも業務に取り組めると実証されたことで、働き方を大きく転換する機会となったようです。オフィスの縮小や、バーチャルオフィスへ切り替えるなど、働く場を見直す動きが出始めています。

これまでの時間労働制から、個々が自律して権限を持つ裁量労働制になることで、評価基準の見直し、フラットな社風、人材育成、ペーパーレス、チームでのパフォーマンスへの影響などなど、課題はあります。しかしコロナ後の需要再開・拡大のためにも、再び危機が訪れた際のBCP(事業継続計画)対策にも、デジタルを活用した多様性・柔軟性のあるワークスタイルへの取り組みは続けていく必要があるでしょう。

マーケターが取るべき手法とは

コロナ禍でマーケットトレンドがオンラインへと移行したことにより、マーケティングにも変化が起きています。

まず主流となっているのがデジタルマーケティングです。オンラインでの経済活動が増加したことで、webやECサイト、SNSなどを中心に行うデジタルマーケティングについて9割以上の企業が「自社にとって重要」といった認識を示しています。(*3)

実際に、コロナ禍の苦しい状況でもSNSを活用したポジティブな試みが、認知度アップと新たな需要発掘に繋がったレストラン事例をご紹介します。

<SNS、オンラインでの最大限の工夫でファン獲得>

都内の人気レストランでは、緊急事態宣言が発令されるとすぐに「自炊する人が増える」と予想し、SNS上で自店メニューや自宅でも作れるレシピを毎日無料で公開しました。同時にテイクアウトの商品提供、オンラインでの料理教室なども実施しました。

公開レシピが話題となりSNSのフォロワー数は7000から5万8000人へ急増。レシピ本が出版され、認知度がさらに上昇しました。

レストランの営業は24時までだったところを時短要請で20時閉店へ。その分、17時の営業開始を朝からへと早め、ゆっくりコース料理が楽しめる「朝ディナー」を開始。その意向などは常にSNSで発信されていたこともあり、期間中の予約枠はすぐに満席に。顧客からも好評で、今後も継続するか検討中とのことです。(*4)

次に多くのマーケターが重要視するのが「既存顧客の満足度を高めていかにロイヤルユーザーになってもらうかを意識していくべき」という点です。(*5)

各市場は飽和状態で新規顧客獲得はかなりの競争率となるうえ、デジタル化で顧客側の選択肢が広がったことから「既存顧客の心を離さずに掴み続けるための施策」は常に発展させていくべきポイントといえます。

顧客満足度を高めるため多くの企業が進めているのが「オムニチャネル化」などによる「one to oneマーケティング」の実現でしょう。オムニチャネル化とはそれぞれに独立していた、店舗、ECサイト、HP、アプリ、SNSなどの顧客接点を繋がった状態にすることです。各タッチポイントでのデータを連携することにより顧客が求めるものや変化を把握し、個々に合わせた対応が可能になります。

例えば、購買履歴をもとにおすすめ商品の提示をしたり、キャンペーンやクーポンを配布したり…といった具合に、より最適なタイミングでよりパーソナライズな顧客に寄り添ったフォローやアプローチができます。こうしたチャネルの連携や、顧客一人ひとりに合わせて個別のマーケティングを展開するone to oneマーケティングによる顧客満足度の向上が成果に繋がっている事例があります。

<細やかな個々のニーズへの対応とデバイスによる試み>

コロナの影響で苦境のアパレル業界でも、大手ネット型ショッピングモールでは過去最高の営業利益となりました。消費者のデジタルシフトによる追い風や、低迷を予想しセールを行い、テレビCMなどで大々的に告知したことも背景にあります。

しかし以前からパーソナライズな施策が行われていたため、圧倒的シェアで、既存ユーザーの購入回数も前年に比べて8.5%アップという好調な結果となっています。具体的な施策としては、商品の再入荷お知らせや、お気に入り商品のセール通知などの基本的なものから

・商品画像から似た商品を簡単に検索できる

・お気に入り商品から「あなただけのタイムセール」の実施

・購入を戸惑っているユーザーへチャットサービス表示

といったさり気なく寄り添うアプローチを常に進化させながら取り組んでいます。さらにより個々に合わせる形で

・着用すると各部位のボディサイズが計測されるスーツ

・足を置くと靴選びに関する足型の3Dデータが計測されるマット

・自分の肌や髪の色、パーソナルカラーが診断されるメガネ

といったデバイスを希望者へ無料配布。

データをモールへ反映し商品購入へ繋げるとともに、それぞれの顧客に合った満足度の高い購買体験が叶うよう、新たな試みに積極的に取り組んでいます。さらに出店ブランドを対象に、モールとブランドの自社ECサイトの在庫一元化を目指すサービスを開始。これによりブランド側も在庫管理が効率化し、顧客もあちこち確認せずとも在庫の有無がわかるようになります。(*6)

ここまでのデジタルマーケティングやそのデータを分析・活用し、顧客満足度を高める施策を実行するうえで重要なのが「DX化の促進」です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)は直訳すると「デジタルによる変容」となり、「企業は、既存のビジネスから脱却して、新しいデジタル技術を活用することによって、新たな価値を生み出していくことが求められている」として、経済産業省も推進しています。(※7)すでにアメリカではデジタル化に遅れを取った企業が市場から撤退を余儀なくされるなど、従来のビジネスモデルでは生き残りが難しくなりつつあります。

これまでの事例もデジタルを活用していましたが、さらにDXにより新たな顧客体験を生み出した例をご紹介します。

<動画配信を活用した動物園>

緊急事態宣言で休園中の動物園への支援として、全国8か所の動物園から動画を集めて公開。ユーザーが視聴すると動画広告収入が動物園へ還元されるという試みです。

世界的オンラインメディアを通じてTwitterでも紹介し、多くの反応と視聴数を獲得。各園では動画の再生数などのデータをもとに、撮影方法やどうすればその動物の魅力がより伝わるか、などの課題を分析する機会となりました。

別の園では休園中に「個別有料ライブ配信」をスタート。1グループ限定のオーダーメイドプランで、飼育員の解説や見るべきポイントを聞きながら、動物をじっくり観察し、リアルタイムで質問が可能。動画ではあるものの動物をより好きになれそうな新たな動物園の楽しみ方です。動物園の入園料として考えたら破格の5000円という料金設定にも関わらず、好評の結果、ふるさと納税の返礼品としても採用されることになりました。(※8)

こうした企業と顧客、顧客どうし、他部署間、異業種、他分野など、さまざまな繋がりがデジタル化によって実現可能となり、新たな体験を顧客へ提供するということが、マーケティングの今後の発展に欠かせないポイントとなりそうです。



<参考・引用サイト>

*1
三井住友カード「今後もオンラインサービスを利用したいという人は8割以上!多種にわたるキャッシュレス決済の選ぶ理由も徹底調査!」

https://www.smbc-card.com/cashless/knowledge/online_service.jsp?dk=ad_nws_083_91258

*2
CrossMarketing「コロナによる購買トレンドの変化。購買手法や理由を具体的に解説」
https://www.cross-m.co.jp/column/marketing/mkc20210305/

*3
TIS「~95%以上の企業が「デジタルマーケティングの重要性」を感じる時代に~ デジタルマーケティング実施状況についてアンケート調査」
https://www.tis.jp/special/marketingit/survey_digitalmarketing/

*4
東洋経済ONLINE「自粛期間に「一躍有名になった料理人」の正体」
​​​​​​​https://toyokeizai.net/articles/-/393030

*5
PR TIMES「[AMN調査リリース] コロナ禍で注力するマーケティング活動は「SNS活用/SNS広告」が6割に迫り、ファンや既存顧客に向けたデジタルへの投資が顕著に」
​​​​​​​https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000037149.html

*6
ECのミカタ「[ZOZO]2021年3月期第3四半期の決算を公表 売上高は108,480百万円(昨対比18.1%増)」
​​​​​​​https://ecnomikata.com/ecnews/29230/

ebismartMEDIA「【2020年版】アパレルECの市場規模と5つの課題をプロが徹底解説」
​​​​​​​https://www.ebisumart.com/blog/apparel-ec/

ITmedia ビジネスオンライン「ZOZOGLASSの予約数は50万件 大手ファッションECが続々コスメ事業に参入する狙い」
​​​​​​​https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2103/19/news064_3.html

QEEE「今さら聞けない!one to one マーケティングの基礎知識から手法・事例まで徹底解説!」
​​​​​​​https://qeee.jp/magazine/articles/14201

*7
経済産業省「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討」https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/digital_transformation/pdf/001_haifu.pdf

*8
電通報「動物園はコロナ禍をどう乗り越え、どう進化するのか?」

https://dentsu-ho.com/articles/7734

クロス・マーケティング「コロナによる購買トレンドの変化。購買手法や理由を具体的に解説」
​​​​​​​https://www.cross-m.co.jp/column/marketing/mkc20210305/

クロス・マーケティング「消費動向に関する定点調査(2020年10月度)」
​​​​​​​https://www.cross-m.co.jp/report/exp/20201113exp/

第一生命経済研究所「コロナ禍の長期化がもたらした不安の多様化」
https://www.dlri.co.jp/report/ld/2020/wt2101f.html

三菱総合研究所「リモートワークが真価を発揮するには」https://www.mri.co.jp/knowledge/mreview/202012-5.html

日本テレワーク協会「BCP(事業継続)対応のテレワーク」
https://japan-telework.or.jp/tw_about/tw_effect/bcp/

Adobe Experience Cloud「オムニチャネルとは?意味・戦略・成功事例をご紹介」
​​​​​​​https://jp.marketo.com/content/omni-channel.html

デジタルトランスフォーメーションチャンネル「新たな価値観への転換! DXを活用したマーケティング手法と実例」
​​​​​​​https://www.digital-transformation-real.com/blog/marketing-techniques-and-examples-of-using-dx.html

MarkeTRUNK「マーケティングにおけるデジタルトランスフォーメーション活用のポイントとは?」
https://www.profuture.co.jp/mk/column/12425



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