LTV(顧客生涯価値)を向上させるポイント
近年、新規顧客獲得のハードルが高くなりつつあることから、マーケティング戦略を見直し、既存顧客との関係性維持を重視する企業が増えています。自社商品やサービスのリピーターを増やし、顧客単位での売上を高めることに注力しているのです。
そうした中で注目を集めているのがLTV(顧客生涯価値)で、長期的な視点でのマーケティング施策を立案する上で欠かせない指標となっています。
そこでこの記事では、LTVを向上させるポイントについて、マーケティング担当者向けに解説していきます。
目次[非表示]
- 1.LTVとは
- 2.LTVが注目される背景
- 3.LTVの算出方法
- 4.LTVを向上させる要因と施策
- 5.LTV向上の突破口にデジタルギフトを
LTVとは
LTVとは、Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の頭文字をとったものです。日本語では「顧客生涯価値」と表現されています。
顧客が最初の取引を開始してから、最後の取引を終了するまでの期間にもたらす利益を示すマーケティング指標です。
LTV は、1回の取引だけでなく、2回目以降の取引も対象で、顧客ライフサイクルを通してその顧客から得られる利益の総額を指します。
顧客ロイヤルティ(企業・ブランド・製品に対して顧客が抱く愛着や信頼)が高いほど、継続的な購入を期待できることから、顧客ロイヤルティが高ければ、LTVも高くなるとされています。
LTVが注目される背景
近年、マーケティングや経営戦略立案の場で注目されるようになったLTV(顧客生涯価値)ですが、その背景にはどのようなことがあるのでしょうか。
ここでは、LTVが注目されるようになった背景や理由について解説します。
新規顧客獲得の困難化
LTV(顧客生涯価値)が注目される背景として、まず挙げられるのが、新規顧客獲得の困難化です。新規顧客を獲得するハードルが高くなっているのです。
日本は今、人口が減少し続けています。言い換えれば、国内の市場は縮小傾向にあるということです。
さらに多くの商品やサービスが飽和状態にあります。消費者は、多数存在する類似の商品・サービスの中から、好みのものを選択することができます。多くの商品がコモディティ化され、需要に対して供給が過多な状態とも言えます。
新規顧客の獲得は、こうした厳しい競争の中で行わなければなりません。
こうしたことから、顧客獲得単価(新規顧客を獲得するコスト)は増加傾向にあります。
新規顧客を獲得するには、多くのプロセスと時間が必要です。それに応じてコストがかかりますが、そのコストが増加した分、利益は薄くなってしまうのです。
一般的に、新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍とされています。
こうしたことから、既存顧客との良好な関係を構築して、リピート購買や紹介などを得るマーケティング手法に重点を置くほうが、効率的に利益を得られる可能性が高い、と考える企業が増えてきたというわけです。
それを検証するためには、既存顧客が将来に渡ってどれくらいの利益をもたらしてくれるのか、数値化した指標が必要になります。
その指標こそが、LTVというわけです。
顧客ロイヤルティ向上が必要
LTV(顧客生涯価値)が注目される理由として、多くの企業が顧客ロイヤルティを向上させる必要性に迫られていることも挙げられます。
顧客ロイヤルティとは、企業・ブランド・製品などに対して顧客が抱く愛着や信頼のことで、ロイヤルティの高い顧客を「ロイヤルカスタマー」と呼びます。ブランドや製品の「ファン」とも言えます。
ロイヤルカスタマーは、自社商品を継続的に購買してくれる可能性の高い顧客です。別の顧客候補を紹介してくれるなど、集客の協力を得られる可能性もあります。
競争が激化する市場環境の中で、ロイヤルカスタマーを醸成することが、マーケティング戦略において、きわめて重要になっています。
そうした戦略において、施策を評価する指標が必要になりますが、そのひとつがLTVというわけです。
ビジネスモデルの変化
LTV(顧客生涯価値)が注目される背景のひとつに、ビジネスモデルの変化も挙げられます。
近年、定額制のサブスクリプションや、従量課金制のビジネスモデルを採用する製品・サービスが増えました。いずれも、継続収益(リカーリング)を狙ったストック型のビジネスモデルです。
従来、都度取引で継続性のないフロー型のビジネスモデルが主流だった業界でも、サブスクリプションを取り入れようとする動きも見られます。例えば、飲食店や家電のサブスクリプションです。
このような継続収益を狙うストック型のビジネスモデルでは、自社製品・サービスを長期的に継続してもらう必要があり、顧客維持の為の様々な施策を講じることになります。
それらの施策の妥当性を判断するために、LTVが指標として用いられるのです。
マーケティングの変化
LTV(顧客生涯価値)が注目される理由として、企業におけるマーケティング戦略の変化も挙げられます。
近年は、個々の顧客と細やかなコミュニケーションを取ることでニーズを吸い上げるOne to Oneマーケティングを採用するケースが増加しています。個々の顧客のニーズに対応しようということです。
不特定多数を対象にするマスマーケティングからの大きな変化です。
One to Oneマーケティングを成功させるための指標のひとつに、LTVが用いられています。
LTVの算出方法
LTV(顧客生涯価値)は、ある顧客の顧客ライフサイクル(最初の取引から最後の取引終了まで)期間中に発生する利益の総額です。
LTVの算出には様々な方法がありますが、ここではその一例をご紹介します。
LTV=顧客単価×粗利率×購買頻度×継続期間-(新規顧客獲得コスト+既存顧客維持コスト)
LTVを向上させる要因と施策
さて、注目されているLTV(顧客生涯価値)ですが、それを向上させる要因にはどのようなものがあるのでしょうか。また、向上させる施策はどのようなものでしょう。
いくつかの例をご紹介します。
平均購買単価を高める
LTV(顧客生涯価値)を向上させる要因として、平均購買単価を高くすることが挙げられます。
平均購買単価を高める施策としては、次のようなものが考えられます。
・商品単価を上げる
単純に言えば「値上げ」です。商品単価を高くできれば、平均購買単価を高め、LTVは向上します。
ただし、実際に商品単価を上げるには、慎重な検討が必要でしょう。
顧客ニーズを勘案せずに値上げしてしまうと、顧客離れを引き起こす可能性が高くなります。例えば、顧客が自社製品やサービスに感じている価値が「低価格」の場合は、顧客が他社に流出してしまう可能性が非常に高くなります。
・アップセルの促進
新規購入を検討している顧客候補や、買い替えを検討している既存顧客に対して、単価の高い上位バージョンを勧めることがアップセルです。単価の高い上位商品を販売できれば、平均購買単価は高まり、LTVは向上します。
アップセルを成功させるには、顧客ニーズを満足させるだけの商品バリエーションが必要になります。
・クロスセルの促進
商品を購入した顧客に、関連商品・サービスを勧めることがクロスセルです。
パソコンを購入した顧客にセキュリティソフトを併せて勧めるようなケースです。
関連商品を併せて販売することで、平均購買単価は高まり、LTVは向上します。
購買頻度を高める
LTV(顧客生涯価値)を向上させる要因として、購買頻度を高めることも挙げられます。
購買頻度を高める施策としては、次のようなものが考えられます。
・機能的陳腐化を狙う
新たな機能・価値が追加された商品の登場により、従来商品・サービスが時代遅れに感じられてしまうことを機能的陳腐化と呼びます。
新製品や新サービスに新たな機能・価値を追加し、自社従来製品や競合製品を機能的陳腐化させることで、買い替え意欲・乗り換え意欲を増進させます。
これにより購買頻度が高まり、LTVを向上させることができます。
・心理的陳腐化を狙う
デザインなどの見た目の印象を変化させることで、従来製品が心理的に時代遅れに感じられてしまうことを心理的陳腐化と呼びます。
ファッション業界などでは古くから取り入れられている手法で、毎年新たな流行を作り出すことで、以前のファッションを時代遅れに感じさせ、新たな購買意欲を刺激します。
こうした手法で購買頻度を高め、LTVを向上させることができます。
・利用範囲を拡大する
商品・サービスを購入できる場所や時間帯を拡大することで、利用機会を増やし、購買頻度を高めることもできます。これにより、LTVも向上します。
・リマインドする
既存顧客に対して、メールやSNSを通じてリマインド(念を押す、再確認)することで、商品・サービスを思い出してもらうことも、購買頻度を高めるために有効で、LTV向上にも貢献します。
購買継続期間を延ばす
LTV(顧客生涯価値)を向上させる要因として、購買継続期間を延ばすことも挙げられます。
購買継続期間を延ばすには、顧客満足度・顧客ロイヤルティを高めることが重要です。
自社製品・サービスを信頼してもらい、愛着を持ってもらい、満足できる価値を感じてもらうことで、長期間継続して購買をしてもらうことができます。
具体的には次のような施策が考えられます。
・メルマガ、SNSでの継続的な情報発信
顧客の属性やニーズを反映した情報を、メルマガやSNSで継続的に発信することで、顧客との良好な関係性を構築し、購買継続期間を延ばすことが可能になります。
・製品、サービスに満足してもらうためのコミュニケーション
購入してくれた製品・サービスについて、使いこなし方やメリットを実感できる関連知識などを発信することでコミュニケーションをとり、製品に対する満足度を高めることも、購買継続期間を延ばすために有効です。
顧客ロイヤルティを高める
LTV(顧客生涯価値)を向上させる要因として、顧客ロイヤルティを高めることも挙げられます。
ロイヤルティの高い顧客は、自社製品・サービスを積極的に継続的に購買してくれます。
具体的には次のような施策が考えられます。
・特典を用意する
既存顧客に対する特典を用意することで、顧客ロイヤルティを高めることができます。
獲得ポイントに応じた特典や、会員ランクに応じた特典などがよく見かけるケースです。
「既存顧客だけの特典」は、「顧客として大切にしてもらっている」という印象を与え、顧客ロイヤルティを高めます。
・ブランドイメージを向上させる
ブランドイメージの向上も、顧客ロイヤルティを高めるために有効です。
例えば、社会貢献性の高い取り組みなどは、一般的にブランドイメージを高めます。
顧客に対するサービスの質を向上させることなどでも、ブランドイメージを高めることができます。
コストを適正に抑える
LTV(顧客生涯価値)を向上させる要因として、コストを適正に抑えることも挙げられます。
LTVの数値に関係するコストは、新規顧客獲得コストと、既存顧客維持コストです。
このコストを下げることは、LTV向上に直結します。
チャーンレート(解約率)を下げる
チャーンレート(解約率)もLTV(顧客生涯価値)の数値に直結する要因です。
チャーンレートを下げることができれば、LTVを向上させることができます。
具体的な施策としては、長い期間継続して購買してくれた顧客を優遇する施策などが考えられます。
また、解約予兆のある顧客を早期に把握し、迅速なコミュニケーションをとれる体制を整備することも、チャーンレートを下げることに有効です。
LTV向上の突破口にデジタルギフトを
ここまでLTV(顧客生涯価値)を高める様々な要因や施策について解説してきましたが、それらの施策を効果的に機能させるには、多くの工夫が必要になるでしょう。
ここでは、LTV向上の様々な施策を成功させるための突破口として期待できる、デジタルギフトの活用について解説します。
LTV向上に役立つデジタルギフト
ここまで説明してきたとおり、LTVを向上させるためには、顧客ロイヤルティを高めることが優先課題です。そして、顧客ロイヤルティを高める施策のひとつに、「既存顧客だけの特典」が挙げられることもご紹介しました。
「既存顧客だけの特典」をつけることで、「顧客として大切にしてもらっている」という印象を顧客に持ってもらえる効果を期待できます。
この「既存顧客だけの特典」として、デジタルギフトが非常に適しているのです。
また、顧客ロイヤルティを高めるためには、顧客との継続的なコミュニケーションが効果的で、その手段としてメルマガやSNSの活用があることも説明してきました。
そのメルマガの開封率を上げるためのインセンティブとして、また、SNS上で展開するプレゼントキャンペーンの景品として、デジタルギフトは非常に適しています。
デジタルギフトとは、様々なプレゼント品・ギフト商品をインターネット経由で、簡単に贈れる仕組みで、電子ギフト、ソーシャルギフトと呼ばれることもあります。
プレゼント品の在庫を保管する必要はなく、発送手配も不要です。
施策の予算に合わせた設計がしやすい点や、電子メールやSNS上でプレゼントを完結させられる点、施策の目的・テーマ・ターゲット層に合わせて最適なプレゼント品を選択しやすい点などが、デジタルギフトの特徴です。
電子メール本文やSNSにクーポンURLのリンクを貼るだけ
LTV向上を目的とした「既存顧客だけの特典」や「メルマガ開封の謝礼」としてデジタルギフトを活用する方法は簡単で手軽です。電子メール本文やSNS本文にデジタルギフトのクーポンURLのリンクを貼れば完了です。
特典の対象者はスマホなどでクーポンURLをクリックすれば、プレゼント品受け取りページが画面に表示され、対象店舗やネットショップでプレゼント品を手軽に受け取れます。面倒な手続きは不要です。
特典を受け取る顧客側の利便性が高い点も、デジタルギフトの特徴です。
抽選方式にもできる
「既存顧客だけの特典」や「メルマガ開封の謝礼」を抽選方式にすることもできます。
TwitterなどのSNS上で展開するキャンペーンでは、近年インスタントウィンと呼ばれる即時抽選の施策が盛んに実施されていますが、それと同様の施策を「既存顧客だけの特典」や「メルマガ開封の謝礼」でもできるのです。
特典の対象者はメールやSNSに貼られたリンク先ページの画面上で抽選を行い、抽選結果はその画面上で判明します。
デジタルギフトを景品にした即時抽選を実施するには、その機能が用意されているデジタルギフトサービス企業を選定する必要があります。
LTVを高める特典の選び方
LTVを高める目的での「既存顧客だけの特典」、「メルマガ開封の謝礼」、「SNSキャンペーン」では、施策の目的、テーマ、ブランドイメージ、ターゲット属性、予算などに応じた適切な特典・景品を選ぶことが重要です。
その一例をご紹介します。
1.施策の目的に適した特典・景品を選ぶ
例えば、旅行関連ブランドでのLTV向上が目的であれば、抽選で旅行体験型商品が当たるなどが特典・景品の候補に挙がります。
2.ターゲットの属性に適したインセンティブを選ぶ
例えば、子育て中の母親をターゲットに据えた施策では、子育て商品を特典・景品に選ぶことが適しています。
3.予算に応じたインセンティブを選ぶ
例えば、少ない予算で対象者全員に特典・景品を配布したい場合は、単価の低いコンビニ店舗のコーヒーなどが候補に挙がります。
自社の施策に適したデジタルギフトサービスを選定する
LTVを向上させるための施策として、デジタルギフトを利用する場合、必然的にデジタルギフトサービスを提供する企業を選定することとなります。
その際、デジタルギフトサービス企業にはそれぞれ特徴があるので、自社の展開する施策に適した企業を選ぶ必要があります。
例えば当社マフィンのデジタルギフトサービスには、次のような特徴があります。
1.業界最多1000品目以上の商品ラインアップ
単価100円程度の安価なものから、高額商品まで幅広い価格帯の商品を取り揃えています。
商品ジャンルも多様で、身近なコンビニ商品やファーストフード商品、各種電子マネー、お取り寄せグルメ、有名飲食店クーポン、旅行やエステ等の体験型商品など、様々なターゲット層に適した商品がラインアップされています。
2.最低発注ロットなし、初期費用・月額固定費も不要
最低発注ロットの設定がありませんので、小規模施策でも安心してご利用いただけます。
初期費用や月額固定費も発生しませんので、低コストでデジタルギフトをご利用いただけます。
※発注個数によってご提案できない商品もあります。
3.最短翌営業日に納品
デジタルギフトのクーポンURLは最短翌営業日に納品します。施策のスピーディーな運用をサポートいたします。
4.配信代行もご用意
配信対象者数が多数の場合などにご利用いただける配信代行もオプションでご用意しています。
5.即時抽選システムもご用意
即時抽選システムもオプションでご用意しています。専用URLのスタンドアロンで動作するので、電子メールやSNS上から簡単にご利用いただけます。