オウンドメディアの立ち上げ・運用 気をつけるべきポイントとは?
「8割がオウンドメディアに注力」
広報・PRの専門誌『広報会議』が2021年春に行った調査(*1)では、コロナ禍でも制限を受けずユーザーとコミュニケーションをとれる場として、オウンドメディアにますます注目が集まっていることが明らかになりました。同時に、オウンドメディア運用にまつわるさまざまな課題も寄せられたようです。
「オウンドメディアの立ち上げと運用を任された。でも、どういったポイントに気をつければいいの?」
いざオウンドメディアを立ち上げようとすると、さまざまな疑問や不安が浮かんでくる方も多いのではないでしょうか?そういった方に向けて、この記事ではオウンドメディアの立ち上げ・運用において、あらかじめ気をつけておきたいポイントをまとめました。
オウンドメディア立ち上げ時のチェックポイントとは?
まず、オウンドメディアの立ち上げにおいて、最も重要なことを押さえておきましょう。それは、目的をクリアにしておくことです。潜在顧客との最初の接点をつくり、顧客へと育成していくのがオウンドメディアの役割。そのため、短期的な利益には結びつきづらく、長期的な計画を持って運用していく必要があります。
企業のオウンドメディアでは「企業イメージ向上・企業ブランディング」「企業の認知向上」「企業姿勢や事業価値への理解促進」などが挙げられることが多いですが、自分たちはなにを最も重要視するのか、あらかじめしっかり決めておきましょう。
目的を設定できたら、チェックしておきたいポイントが3つあります。
①ペルソナ(=典型的なユーザー像)とサイト設計
ペルソナ(=典型的なユーザー像)が明確かどうかは、オウンドメディアそのものの目的設定と同じくらい重要なポイントになります。
- どんな年代層・性別なのか?
- どんなライフスタイルを送っているのか?
- どのようなことに喜びを感じるのか?
- どのような不安や悩み、困りごとを抱えているのか?
- どのような行動パターン、習慣があるのか?
目的とペルソナの設定をしっかりできれば、オウンドメディアを介してペルソナにどのような体験を提供し、企業・商品・サービスにどのような関心・感情を抱いて欲しいのか、そのためにどんなサイト設計を行うべきかも決まってくるでしょう。
②メディアの運用体制構築
つぎに、どういう体制でオウンドメディアを運用していくのかを決めましょう。
いくらしっかりとした目的とペルソナがあっても、運用を継続できる環境が整わなければ、いざ立ち上げても停止せざるを得ないという事態に陥ってしまうかもしれません。2019年の調査(*2)でも、「(オウンドメディア立ち上げ後)8割以上が2年未満で運営を停止」という結果が出ています。
社内のリソースですべてまかなうのか、一部もしくは大半の業務を外部に委託するのか。コンテンツ制作の情報収集のため、社内の協力を得られるか。オウンドメディアの運用体制の構築・継続が可能かどうか、さまざまな角度から検討・シミュレーションし、冷静な判断を行うことが必要になります。
③キーワード選定、コンテンツ構成・制作、SNS運用
ペルソナ・サイト設計・運用体制が決まると、いよいよ具体的なコンテンツ制作を準備する段階に入ります。どのようにしたらペルソナに届けたい情報をちゃんと届けられるか。そのために、どんなキーワードを設定すれば、接点をつくれるのか。ひとつひとつのコンテンツに対しても設計を行い、キーワードを選定したうえで、コンテンツの構成・制作を行っていきましょう。
また、同時にSNSの運用をすることがおすすめです。オウンドメディアのコンテンツへの流入経路を増やし、より効果的に拡散していくためにも有効です。ユーザーと直接コミュニケーションをとる手段としても期待できます。
オウンドメディア運用時のチェックポイントは?
いざ立ち上げたものの、運用を続けていくうちに、当初の目的から離れ、運用そのものが目的となってしまっているケースもみられます。そうした状況を回避し、良質なコンテンツを蓄積し、自社オウンドメディアの価値を高めていけるよう、つぎの2つのポイントを気をつけましょう。
①運用ルールの設定
立ち上げ後、当面の間はコンテンツを増やしていくことが重要です。コンテンツが少ない段階においては、短期間にアクセスが獲得できるわけではないことを念頭に置き、SEO対策を意識しながらもまずは量の増加を優先し、継続的にコンテンツを更新していきましょう。
②分析と改善
一定のコンテンツが蓄積されてきたら、継続して新規コンテンツを更新しつつ、既存コンテンツを分析し、必要に応じて改善策を打っていくフェーズに入ります。
- オウンドメディアの目的に応じた内容になっているか。
- ペルソナ像のニーズに答える記事となっているか。
- コンテンツの軸がぶれていないか。
- 検索結果の上位に記事がきているか。
- 選定したキーワードは有効に作用しているか。
- 検索流入が順調に増加しているか。
こうした観点からあらかじめチェック項目を設定し、求める基準を満たしているかを確認し、そうでない場合はキーワードやSEO対策の見直しを行い、コンテンツの見直し・リライトを実行していく必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?オウンドメディアは目的から軸をぶらさずPDCAをまわしていけば、良質なコンテンツを資産として蓄積していくことができます。ぜひこの記事にあげたポイントをおさえて、短期的な効果を期待しすぎず、長期的な視点でメディアを育てていってくださいね。
<引用先リスト>
*1:「オウンドメディア運用に関する調査」の結果を発表。8割がオウンドメディアに「注力」、企業ブランディングを目指す。
*2:BtoBマーケティング担当者の6割がオウンドメディアに対して前向き、3割が開始から1年で成果を実感したと回答
<参照ウェブサイト>
5分で理解!オウンドメディアとは? ~事例とともに分かりやすく説明します~
オウンドメディアの運用方法を解説!失敗しないための注意点とは? | 株式会社grooo
オウンドメディアで記事制作をする上での、ペルソナの設定方法を解説!
オウンドメディアとは?立ち上げから運用まで解説【事例アリ】 | PINTO! by PLAN-B
「オウンドメディア運用に関する調査」の結果を発表。8割がオウンドメディアに「注力」、企業ブランディングを目指す。
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