Web広告ごとの効果的なターゲット層と広告運用でやるべきこととは?
前回、Web広告についてご紹介した記事で、Web広告はターゲットに応じて使い分けるのが良いとお話ししました。広告運用では、ターゲットの明確化を行った上でどの手法と組み合わせるかがとても大切です。まずは、Web広告を始める前に準備しておくと良いことをご紹介していきます。
広告を決める前に考えるべきこと
広告を決める前に大切なことが大きく3つあります。
- 広告から訪れるサイトを用意する
- 誰に対してどのタイミングで何を伝えるか
- ペルソナを決める
以下で内容を説明します。
訪れるサイトを用意する
広告を見た人がクリックした後、たどり着くサイトが無いとWeb広告は意味を成しません。Web広告を出す場合、主にLP(ランディングページ)と組み合わせることになります。
ランディングページは、お客様に対して伝えたい情報を1ページで構成するサイトのことです。コンバージョン(獲得したい成果)はサービスによって異なり、新規登録者の増加、資料請求の増加、購買数の増加などがあります。
Web広告の設計を決める
Web広告の運用に定石や定番の形はありませんが、ゴールとなる目標を決めたり設計を考えておくことが成功へのカギとなります。まずは、誰に対して訴求したい広告なのか明確にしましょう。そのターゲットがよく使っている媒体はどこなのか、どこでその広告を目にするのかも想定する必要があります。
最後に、広告を通して伝えたいことや取ってもらいたい行動を考えるというのが設計の大まかな流れです。ここで、幅広い世代をターゲットとするWeb広告を例にお話しします。
総務省の「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書概要」によると、全世代のLINE利用率が80%と驚異的な数字を出していることが分かります。
このことから、幅広い世代の認知を集めるための広告を出す場合LINE広告を使って訴求したいと考えます。
そしてユーザーに取ってもらいたい行動から、LINEの中でどの広告を使って配信するべきかを考えるという流れで設計していきます。
ペルソナの設定
ターゲットとは別に、どんな人に向けて広告を配信するかというペルソナを設定することが大切です。ターゲットがどのような年齢、性別、職業でという設定だけではありません。
必要なのはどんな悩みを持っていて、何を解決したいのかということです。悩みという感情に対してどのようにアプローチすると、興味を持ってくれるのかを考えるようにしましょう。
各ターゲット層とそれに適した広告
Web広告でアプローチするターゲット層は、上から興味が低い順にこのように分けられます。
- サービスを知らないターゲット(非認知層)
- サービスは知らないけど需要はあるターゲット(潜在層)
- サービスを知っていて購入しようか迷っているターゲット(顕在層)
- 既にサービスを利用したことがあるターゲット(顧客層)
比率で言うと非認知層が最も多く、顧客層に行くにつれて少なくなります。これらのターゲットごとの特徴を抑えないまま、闇雲にWeb広告を出しても響きません。では、どの広告がどのターゲットに対して有効なのかを以下で確認しましょう。
非認知層を含む幅広いターゲット層に向いているWeb広告2つ
以下で、非認知層~顕在層や顧客層などをターゲットとした場合に向いている広告を2つご紹介します。
- ディスプレイ広告(アドネットワーク)
ディスプレイ広告は、主にGDNやYDAが主流のWeb広告で、非認知層~顧客層まであらゆるターゲットへのアプローチに向いています。
GDNは、Googleのアドネットワークのことで、YDA(旧YDN)は、Yahoo!Japanのアドネットワークのことです。どちらも国内最大級のアドネットワークなので、ほとんどのインターネットユーザーに対してアプローチすることができます。
例えばGDNの場合、特定のジャンルに興味があるターゲットに的を絞って配信したり、有名なWebメディアサイト(楽天・Youtubeなど)に広告配信することで人の目に触れやすいので認知拡大も可能です。細かく幅広いターゲットを設定して広告配信できる魅力があります。
- SNS広告
SNS広告はターゲティングの精度が高いことが特徴にあり、幅広い非認知層~顕在層へのアプローチに向いています。それぞれのSNSに登録してあるユーザー情報を元にターゲティングができるので、興味関心にマッチした精度の高い広告配信が可能です。
圧倒的なアカウント数を持つLINEは、月間アクティブユーザー数が国民の約68%とも言われており、広告を流せば誰かの目に留まるという驚異的な効果を発揮してくれます。
さらに、若い層に訴求のできるTwitterやInstagram、実名登録でターゲティング精度の高いFacebookなどで出費も比較的抑えて費用対効果を高められるのが魅力です。
営業やマーケティングに興味のある層に向けては、これから国内での発展も期待されるLinkedInを活用した広告も向いているでしょう。
潜在層を含むターゲット層に向いているWeb広告2つ
次に、潜在層~顕在層あたりまでのターゲットにした場合に向いている広告を2つご紹介します。
- アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は購入を検討段階の潜在層~顕在層へのアプローチに向いています。アフィリエイト広告は、ASPと呼ばれるアフィリエイト広告を行っているサービスに広告を登録することで広告配信ができます。
成果報酬型のため、成果(新規登録・購入など)が発生しない限りASPの固定費以外の費用が発生しないというメリットがあります。一方、掲載する広告はあくまでもサイトやブログを運営するアフィリエイターが選ぶので、配信が保証されない上に固定費がかかるというデメリットがあります。
- メール広告
メールによる広告配信も潜在層~顕在層へのアプローチに向いています。メール配信は、開封率を上げることが最も大切だと言えます。
MAツールを使ってターゲットがサービスに興味を持った最適なタイミングで配信する方法や、視覚的にHTML形式でメール広告を行って強くアピールするなどの方法があります。
顕在層を含むターゲット層に向いているWeb広告
最後に、顕在層~顧客層あたりまでをターゲットとする場合に向いている公式サイトをご紹介します。
- リスティング広告
リスティング広告は検索連動型の広告のため、顕在層~顧客層へのアプローチに向いています。ターゲットは悩みを解決したいという欲求を抱えてキーワードを入力し、サイトに訪れます。そのため、ある程度のニーズがある状態のターゲットにサービスをアプローチすることができることが強みです。ただし、リスティング広告は広告だけでなく、キーワードを上手く選定して広告文でアプローチする必要があるため、ある程度のSEOに関する知識が必要と言えます。
Web広告の費用はどのくらい?
代表的なWeb広告5つの費用を以下にまとめてあります。
ディスプレイ広告の場合
GDNを例にご紹介すると、主にクリック課金制があります。1クリックあたりの費用上限を決めることで、支払いの上限を定めることができます。最低料金は1円~から選択可能ですが、入札制のため低すぎると表示されない可能性があるので注意しましょう。広告の予算は10万円~が目安です。
SNS広告の場合
LINE広告の場合は最低料金が定められておらず、1円~でも始めることができます。目安となる相場は業種ごとにも異なりますが、月30万円くらいを数か月続けることで効果があると言われています。その他のTwitterやFacebook、Instagramでもクリック課金制があり1円~利用可能です。
アフィリエイト広告の場合
ほとんどのASPは初期費用と月額制に成果報酬がプラスされます。アフィリエイト広告で有名なA8.netは、初期費用5万円で一番安いコースが月4万円(6ヶ月契約)から利用可能で、成果報酬はメディアごとの報酬設定が可能です。
メール広告の場合
メルマガ広告のダイヤモンド社ターゲティングメールは税別30万円~利用できます。他のメルマガ広告の媒体でも、1プロモーションあたりおよそ20万円~が目安となっているようです。
リスティング広告の場合
リスティング広告はGoogleとYahooがメインで、クリック課金制となっています。Googleの場合は、キーワードごとの平均クリック単価をキーワードプランナーで調べることができます。人気の高いキーワードになると金額が上がる特徴があります。クリック単価は50円~を目安に利用することが可能で、月数十万を予算とするケースが多いようです。
ターゲットと予算を明確にしてWeb広告を活用しよう
Web広告は、1度でなかなか上手くいかないため、改善と実行を繰り返す必要があるでしょう。その度にターゲットはこのままで問題ないのか、媒体や広告手法は適切かどうかを見返すことが大切になります。予算やターゲットを考えた上で、じっくり検討してから活用してみてください。
<参考・引用元>
・七宮 雄祐 予算が見える・効果が上がる ネット広告徹底活用ガイド(書籍)
・LINE Business Guide(Summary) LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー2021年1〜6月期版