カタログギフトのデジタル化によるメリット
多様化するカタログギフトへのニーズ・ウォンツ
カタログギフトは当初は結婚式などのお祝いやお返しといった、フォーマルなシーンでのギフトのひとつとして利用されることが多いものでした。
掲載商品もそうしたシーンに適した「誰にでも受け入れられるもの」が多く取り扱われていました。
しかしカタログギフトが一般に定着すると、お中元・お歳暮、節目の贈り物などの儀礼的なギフトにも市場が拡がり、さらにインターネットの普及や昨今のコロナ禍においては、誕生日や母の日、父の日、クリスマスなどのシーズンイベントといった非フォーマルでパーソナルなギフトへのニーズも高まっています。
またどこにいてもオンラインで多くのものが手に入る現代の環境下では、受け手のウォンツも多様化してきています。
限定的なシーンと限られたギフトではなく、さまざまな場面で利用でき、且つ、送り手の心遣いが伝わるような、より相手の趣味嗜好に添った商品が求められるようになりました。
パーソナルなギフトにも利用シーンが拡がったことで、贈るという行為よりも「贈るもの」にこだわる傾向となっているようです。
デジタル化により生まれたメリット
これまでは店頭へ足を運び相手の好みのものを探して購入していたものの、コロナ禍の時短営業や自粛生活によってWebでの購入へと切り替えたという人も多いでしょう。
また働き方や生活様式の変化によるオンラインの急速なインフラ化で、ここにきてさらにカタログギフトのデジタル化に拍車がかかっているようです。
紙のカタログギフトをデジタル化した「カード型カタログギフト」を採用する企業が多く見られるようになりました。
カタログではなくカードを贈り、受け手はカードに記載されたIDを使い、専用サイトでショッピングをするというシステムです。
こうしたデジタル化による変化はカタログギフトへ次のようなメリットを創出しました。
スマートに利用でき、比較検討しやすい
カタログギフトの利用が多かった結婚式の引き出物などは、カード型になったことにより、参列者の荷物がかさばらなくなりました。
ゼクシィの調査によると、挙式した5組に1組の割合で引き出物にカード型カタログギフトが選ばれるという結果に。(出典:ゼクシィ 結婚トレンド調査2020調べ)
また、引き出物だけでなく引き菓子や縁起物などの結婚式当日にゲストへ渡されるすべてをデジタル化した、引き出物カードも登場しています。
結婚式以外のギフトにおいても、さまざまなカタログギフトをオンライン上で比較検討しやすくなりました。
受け手はカタログ誌と違いスマホなどで出先でも選ぶことができ、オンラインでそのまま注文が完了するため、カタログギフトの期限切れリスクを軽減できます。
また、専用サイトの多くは人気ランキングやおすすめ順、カテゴリーごとといった並べ替えや、絞り込みなどの機能があり、目当ての商品が見つけやすくなっています。
格段に充実した商品ラインナップ
紙のカタログ誌では、一度印刷してしまうと掲載商品を変更するのは難しく、一定期間は商品在庫を確保しておかなければなりませんでした。
そのため消費期限がある食品や流行のあるアパレルなどは参入が難しく、カタログ向け商材以外は取り扱いが困難なギフトでした。
しかしWebでの掲載を主とすることで即時に情報の変更が可能となったことから、幅広い商品が扱えることとなり、ラインナップが充実したものとなりました。
また商品や生産者のこだわりといったバックグラウンドを載せるなど、より詳しい情報の提供をすることもできます。
さまざまなシーン、ニッチなニーズにも対応
デジタル化で各種商品の取り扱いができるようになったことで、これまでのカタログとは違った「高級お取り寄せグルメ」「体験型ギフト」「地方の特産品」といった、よりこだわりや趣味嗜好に特化したカタログギフトが実現してきています。
そのため誕生日などのパーソナルなギフトで、受け手が好むものを贈りたいときにも、個人個人に合わせて選びやすくなりました。
また送り手が自由に商品を選んで組み合わせ、オリジナルカタログギフトを作って贈れる、といったサービスなども展開されています。
さらに体験型ギフトでは温泉や水族館などのほか「おひとりさま」「カップル」「ファミリー」と受け手のライフスタイルに合わせて楽しめるカタログギフトも登場しています。
内容もエステやアウトドアなど馴染みのあるものから、スカイダイビング、ものを壊してストレス発散体験など、自分ではなかなか経験する機会はないものの魅力的なギフトまで、多種多様なラインナップとなっています。
環境負荷、業務負担、コストを低減。データ収集が可能に
デジタル化したカタログギフトは、ペーパーレスで大量にカタログを印刷するエネルギーが不要となり、郵送に必要な排気ガスも削減できるため、環境に配慮したギフトともいえます。
また紙代に印刷費、郵送料、保管費用などのコストや、在庫管理といった負担軽減にも寄与します。
掲載内容に変更が発生しても即時に差し替えが可能なだけでなく、ユーザーの閲覧数や滞在時間といったデータをもとに、専用サイトのアクセシビリティの見直し、特集の設定、リニューアルなどといった対応も随時行えます。
そのほか、商材企業の商品開発、掲載商品の選定など、データに基づいたマーケティング活動ができることもデジタル化による大きなメリットといえるでしょう。
<参考・引用元>
株式会社ハースト婦人画報社『第1回ギフトに関するトレンド調査: ギフトは贈る側も、もらう側も「豪華・贅沢」より「実利」を選ぶ傾向に』
antina for BUSINESS『カードカタログ』
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