MQLとは? 特徴やSQLとの連携のポイントを解説!
MQLはマーケティング活動で用いられ、リードの種類を表します。リードを購買プロセスによってステージ分けすることで、業務効率化や業績向上が目指せます。本記事ではMQLの定義や特徴を踏まえ、SQLとの連携について解説していきます。
MQLはマーケティング活動で創出された「ホットリード候補」
営業やマーケティング活動におけるMQLとはMarketing Qualified Lead(マーケティング クオリファイド リード)の略称で、直訳すると「マーケティングに値するリード」となります。
いわゆる潜在顧客のことを指し、マーケティング施策により生み出された、自社の商品やサービスに対して一定以上の興味を持った顧客のことを意味します。
ウェビナーやイベントなどで得た顧客リストのうち、どういった条件の顧客をMQLとして捉えるかは各社で異なりますが、具体的には以下のようなアクションを抽出基準として設定していきます。
- アンケート結果の興味度合いが高い
- ホームページを何度も訪れホワイトペーパーもダウンロードした
- 「MA(マーケティングオートメーション)のスコアリングが100以上」など、リードスコアが一定の基準以上
- メルマガで商品紹介のリンクやボタンをクリックした
- セミナー、ウェビナーへの参加が多い
こうした条件を満たした顧客をMQLとして救い上げ、そこからさらに顧客の悩みやニーズなどを顕在化させ、次段階のSQLへと繋げることが重要になってきます。
MQLの特徴と成約までのプロセス
SQLがすでに「成約前提で商談ができる段階のリード」に対して、MQLは「一定の興味はあるものの、それぞれの顧客の具体的なニーズが明らかではない」という特徴があります。そのため、リストから一歩進んだ「ホットリスト」と呼ばれることも。
MQLは商談などを重ねて顧客のニーズを顕在化させる必要があるため、SQLに比べて成約までに要する時間やプロセスが多くなります。
MQLから成約までは以下のようなプロセスを辿ります。
【マーケティング部門】
MQLを救い上げ、インサイドセールス部門へ引き継ぎ。
↓
【インサイドセールス部門】
マーケティング部門から送られたMQLをナーチャリング。
顧客ニーズを顕在化させ、受注確度を高める。「SQL」として営業部門へ引き渡し。
↓
【営業部門】
インサイドセールス部門からSQLを引継ぎ、商談・成約へ。
各プロセスでの担当範囲や役割は各社によるものの、MQLを次のステージであるSQLへと繋げられるかどうかは、ここでの部門間のスムーズな引き継ぎや連携が必須となってきます。
MQL・SQLのスムーズな連携が業績UPのカギ
部門間の相互の連携が欠かせないMQLから成約までのプロセスですが、企業によってはインサイドセールス部門が無く、MQLのまま営業部門へ引き渡される場合もあります。
先述のMQLの特徴から、ついSQLを優先してしまいMQLのフォローが疎かになるなどの課題が生まれ、マーケティング部門と営業部門の間で対立が起こるケースも珍しくありません。
部門間の連携を高めて成果を出すには、次のポイントを押さえることが重要となります。
●カスタマージャーニーを明確にする
リードの購買プロセスを把握するために、顧客の行動・思考・感情などを段階ごとに整理し、図式化した「カスタマージャーニーマップ」を制作します。これにより購買プロセスに沿った役割分担ができ、可視化されているため、部門間で共通の認識を持つことができます。分担が明確になったら、自社に合ったMQLとSQLの定義・基準を設定し、共有していきましょう。
尚、カスタマージャーニーマップを制作する際は、必要であれば顧客の「ペルソナ」を設定するところから始めましょう。
●各部門の役割とKPI・KGIの設定
MQLとSQLでは商談でのアプローチがまったく異なるため、制作したカスタマージャーニーマップを元に、MQLとSQLのKPI・KGIを設定し、商談ステージを明確にしていきましょう。そのうえで、部門間での役割分担をしていきます。
●SFA、CRM、MAツールの活用
部門間のスムーズな連携には、情報共有が不可欠です。
MQLのナーチャリングで得られた顧客の悩みや興味、ニーズなどは、その後のSQLでの商談でも活かすことができます。
- SFA:営業活動支援システム
- CRM:顧客情報管理システム
-
MA:マーケティング活動自動化ツール
以上のような支援ツールを使って、顧客情報や営業活動におけるコミュニケーションの履歴を残し、部門間で引き継いでいきましょう。
こうした支援ツールを活用することで、
- リードの獲得経路
- これまでに行ったアプローチ・コミュニケーション
- 現状のスコアリング
- リードのステージ段階
などの情報を部門間でもスムーズに共有することができます。
●効果に対して仮説検証を行う
これまでのポイントを踏まえて施策を実施したら、設定したKPI・KGIなどの目標に対し、効果測定および仮説検証を行います。
効果が良ければ、さらなる成功のための新たな指標を、反対に目標を達成できなければ、その原因について部門間で共有し、仮説を元に改善策を立てていきます。
MQLは、SQLに比べて成約までの道のりが長いのは事実です。しかし「リードの確保」という共通の目的を忘れずに、部門間の連携を強固なものにすることで、業績の向上を最大化できるよう体制を整えていきましょう。
<参照ウェブサイト>
・Innova MQL・SQLとは?それぞれの定義と営業・マーケティング部門間に生じる問題について解説