Z世代とは?ミレニアル世代との違いやマーケティング・就活におけるポイント
最近よく耳にする「Z世代」とは、デジタルネイティブである上に、スマホネイティブ、SNSネイティブなどの特徴を持っています。これからの消費の主役となりゆく世代なので、マーケティングにおいてしっかり理解すべき世代といえるでしょう。
今回の記事ではZ世代の概要やマーケティングおよび就活(企業側の採用活動)におけるポイントを解説します。Z世代をターゲットとする企業のマーケティング担当、あるいは採用の対象としている企業の人事担当のみなさんは、ぜひとも参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.そもそもZ世代とは?
- 2.Z世代の定義
- 3.Z世代の働き方の価値観
- 4.Z世代に向けたマーケティング3つのポイント
- 5.Z世代と好相性のデジタルギフト
- 6.まとめ
そもそもZ世代とは?
まずは、そもそも「Z世代」とは一体どういうものなのでしょうか?その定義と、ひとつ前の世代であるミレニアル世代との相違点などを見ていきましょう。
Z世代の定義
Z世代とは年代の区分に諸説ありますが、日本では1995年頃から2012年頃までに生まれた、2023年現在10〜28歳くらいの世代を指します。このZ世代はデジタルネイティブ、スマホネイティブ、SNSネイティブなどの特徴を持った世代です。
ミレニアル世代との相違点
Z世代の前の「ミレニアル世代」は、1980年頃から1995年頃までに生まれた2023年現在28〜43歳くらいの世代を指します。ミレニアル世代がそういう括りになるのは、彼らの成長がデジタルの台頭とともにあったためです。
ネット環境の整備やスマホの普及が、飛躍的に進んだ時代に成長してきたので、世代として平均的に情報リテラシーにおいて優れています。ネット検索やSNS上のコミュニケーションを使いこなす、ITに対して深い親和性を有する世代です。
このふたつの世代の主だった相違点を挙げると、以下のとおりです。
- Z世代は企業のデジタル化によるイノベーションを求めている
- ミレニアル世代はコスパを重視しZ世代はタイパを重視する傾向がある
- ミレニアル世代はブランドにこだわりZ世代は自分らしさにこだわる傾向がある
- ミレニアル世代は理想主義でZ世代は現実主義の傾向がある
個別に見ていきましょう。
Z世代は企業のデジタル化によるイノベーションを求めている
Z世代の若者は、急速なイノベーションの時代に育ちました。加えて新型コロナの影響もあり、ミレニアル世代よりも企業にイノベーションを反映した製品・サービスや、既存製品・サービスのデジタル化を望む傾向が強く見られます。
ミレニアル世代はコスパを重視しZ世代はタイパを重視する傾向がある
ミレニアル世代は、社会人になってから顕著な好景気を体験していません。そのため、物事の本質的な価値を大切にし、コスパを重視して「可処分所得」を増やそうとする傾向にあります。
一方、Z世代はタイパ=タイムパフォーマンスを重視し、時間効率を求めることによって「可処分時間」を増やそうとする傾向が見られます。
レニアル世代はブランドにこだわりZ世代は自分らしさにこだわる傾向がある
ミレニアル世代は思春期をブランドブームのなかで育ち、流行のブランドのセレクトでセンスを各人がアピールしました。彼らが大人になった今日、お気に入りのブランドにはさらに支出をするでしょう。
そのため、ミレニアル世代は世界観が共有できるブランド戦略が合います。しかし、Z世代は固定された特定のイメージではなく、個性を際立たせてなりたい人になれることをアピールする戦略が必要です。
ミレニアル世代は理想主義でZ世代は現実主義の傾向がある
好景気の時代に育ったミレニアル世代は、周囲からいろいろと与えられて育った楽観的な世代ともいわれます。一方、不況の時期に育ったZ世代は、親や地域が経済的な圧迫を受けるなかで育ち、大人が苦しむ姿を見ながら育ちました。
そのため、Z世代向けのマーケティングには長期的安定的な価値にフォーカスするのが賢明と考えられます。
Z世代の働き方の価値観
Z世代に共通して見られる働き方の価値観の特徴が、いくつか見受けられます。もちろん、Z世代の若者すべてが同じ特徴を持っているわけではないですが、全体的な傾向を挙げると以下のとおりです。
- 厳しい上下関係を好まない
- 最新テクノロジーの使用を望む
- 変化を受け入れる
- 柔軟性を重んじる
- 対面コミュニケーションを大切にする
- 起業家精神を備えている
- 負けず嫌い
それぞれを見ていきましょう。
厳しい上下関係を好まない
幼少期からSNSを活用し、自分の意見を発信してリアルタイムで反応を受け取ってきました。そのため、上位者が絶対的な権威を持つのではなく、下の立場であっても自分の意見が尊重されることを期待する傾向があります。
最新テクノロジーの使用を望む
Z世代の若者は普段からさまざまなテクノロジーに接するため、職場でも最新テクノロジーを使用したいと望む傾向があります。
変化を受け入れる
Z世代の若者はほかの世代と比較して、情報収集能力に長けています。大きな社会的あるいは政治的な事件によって大きな変化が起きる状況を、彼らは何度も見てきました。このことが、彼らの発想を行動主義に傾けている可能性があるかもしれません。
柔軟性を重んじる
Z世代の若者が職場に求めるのは、場所や時間を選ばない勤務形態や長期休暇などです。彼らは安定性も重要と考えるので、無料の社員食堂やハッピーアワーより、手厚い医療保険などの福利厚生を好む傾向があります。
対面コミュニケーションを大切にする
幼少期からテクノロジーに接してきたZ世代の若者でも、スマホにおける仮想コミュニケーションと職場でのコミュニケーションは異なります。職場においては、対面のコミュニケーションを好む傾向があります。
起業家精神を備えている
Z世代の若者はテクノロジーを利用してベンチャーやスタートアップを立ち上げ、成功したひとたちを見ながら育ってきました。そのため、テクノロジーの知識を自らのビジネスチャンスに活かす能力が、ほかの世代に比べてより優れています。
負けず嫌い
Z世代の若者は競争が激しい教育環境のもとで育ち、フィードバックをその場で受け取り改善するのに慣れています。評価がすぐ下されるのが当たり前なので、自分の仕事を認めて欲しいという負けず嫌いに結びついている傾向があります。
Z世代が変えた就活(企業側にとっての採用活動)
それまでの世代と一線を画すZ世代によって、就職活動さえも変化しつつあります。たとえば彼らは、SNSや動画投稿サイトの動画コンテンツに日常的に触れています。
その影響から、Z世代では就職活動(企業側からいえば採用活動)にも「動画」というツールが登場しています。
具体的には一部の企業がZ世代の特徴に目をつけ、従来のエントリーシートに加えて動画による自己PRとして履歴書ならぬ「履歴動画」の提出を求めています。
また、仕事においてやりがいと収入のどちらを重視するかに関して、やりがいを重視するZ世代の就活生が半数を超えるといわれています。
さらにやりがいを感じるのは、「仕事を通して社会貢献を実感できること」や「自身の成長を実感できること」、または「関わった人に感謝をされること」などを挙げる就活生も多いようです。
Z世代を採用する側の留意点
Z世代を採用する側が気を付ける点として、まずは観るコンテンツを企業紹介分野において、積極的に増やすことでしょう。
彼らはSNSの画像や動画、ショート動画などの視覚情報に慣れ親しんでいます。そのため企業紹介の情報発信も、文字中心のものよりも視覚と聴覚へのアピールを意識すると効果的と考えて間違いないでしょう。
SNSの公式アカウントを使って、写真や動画などのビジュアルを用いた発信がふさわしいといえます。
また、連絡手段や応募に関して、スマホやタブレットで手軽にできる方法を用意することです。Z世代の若者のなかには、スマホだけで就職活動をコンプリートするツワモノの就活生もいるといわれています。
加えてZ世代の就活生は、職場の労働環境や仕事に対するやりがい、人間関係などのいわゆる「企業の質」を重要視している若者が多く見られます。そのため、どのような点が自社の魅力なのかを明らかにし、情報として伝える手段を検討するのが賢明です。
Z世代に向けたマーケティング3つのポイント
Z世代に向けた企業のマーケティング活動において、以下のような3つのポイントを意識すると効果があると考えられます。
- 意味を伝え共感を促す
- 「タイパ」を重視する
- オムニチャネルに対応する
それぞれを見ていきましょう。
意味を伝え共感を促す
Z世代の若者は、物事の「意味」や「意義」を重要視する傾向が、他の世代よりも強く見られます。
したがって、企業理念や経営理念、目標などのビジョンに関する、ともすれば曖昧になりがちな部分について、しっかりと企業が意図する意味を伝えて共感を促すのが賢明なやり方でしょう。
「タイパ」を重視する
前述の「タイパ」という言葉を、最近よく聞くのではないでしょうか?Z世代の若者の特徴のひとつとして、時間効率や合理性を求めるという点があります。
同じ効果があることなら、少しでも費やす時間の短いほうが、余った時間を有効に使えてベターであるという考え方がタイパです。Z世代の若者の多くが映画やドラマの録画や配信サービスを早送りで試聴するのも、そこに理由があります。
マーケティングであれば、何らかのキャンペーンやアンケートなどのやりとりが、できるだけシンプルで工数を少なくしてスピーディに対応できるほうが、Z世代にとって親和性が高いのは間違いないでしょう。
具体的には、従来のキャンペーンのように応募期間が設けられていて、抽選してから当選者発表までの日数を待って暮らすカタチよりも、応募・抽選・当選確認がワンストップで可能なインスタントウィンの方がZ世代の若者に相性が良いと考えられます。
オムニチャネルに対応する
マーケティングにおけるオムニチャネル化、すなわち顧客接点(タッチポイント)の多様化が進んでいます。このポイントはZ世代にとって特に重要です。
多様な接点でシームレスに
同じ企業ブランドおよびその製品やサービスに、WebサイトやSNSの公式アカウント、ECサイトやリアルショップなどの、さまざまな顧客接点でシームレスにつながることは、Z世代にとってデフォルトに近い基準といえます。
ボーンデジタル漬けの反動でリアルも重要
彼らZ世代の若者は「ボーンデジタル」、つまり物心ついた時点からデジタルデバイスがおもちゃのなかに、自然に盛り込まれていて親しんできた世代です。
それゆえに、デジタルリテラシー、ITリテラシーはほかの世代より全体的に高いですが、アナログなものごとに関してはその逆に経験が少なめです。
つまり、ボーンデジタルの反動で、アナログ=リアルな物やエモーショナルな物に対する興味・関心が強いという傾向がわかってきています。
そこで、マーケティングにおいても、リアルな関わり方も要素として組み込むほうが、より全方位に近いかたちでアプローチできるでしょう。
Z世代と好相性のデジタルギフト
Z世代は最近ニーズが拡大中の「デジタルギフト」(モバイルギフト)との相性が非常に良いと考えられます。その理由や用途について触れておきましょう。
タイパでシームレスなデジタルギフトは好評
Z世代がデジタルギフトと相性が良いのは、デジタルギフトが従来の贈り物のプロセスをデジタル化して、スマートでスピーディにしたものだからです。
前述の「タイパ」の条件を満たす「シームレス」なギフトの手法であり、実際にZ世代による個人のデジタルギフト需要も増えつつあります。
キャンペーン・アンケートのノベルティに最適
デジタルギフトは、ギフトの受け渡し自体も、URLを付与するだけで瞬時に完了します。そんな「タイパ」を実現するデジタルギフトは、企業のキャンペーン・アンケートのノベルティに最適と考えて差し支えないでしょう。
また、デジタルギフトの就活(企業の採用活動)への活用の具体的な事例として、代表的なものは以下の3つです。
- 新卒求職者向け情報提供の謝礼
- 履歴書登録や企業面談のインセンティブ
- 就職・転職成功時のお祝い
なお、上記の企業事例について、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひそちらも、参考にご覧ください。
まとめ
これからの消費の牽引役となってゆくZ世代の特徴や、彼らを対象とした就活やマーケティングのポイントを解説しました。ひとつ前のミレニアル世代ともさまざまに異なるZ世代の価値観をしっかり押さえておくことが、マーケティングや採用活動に有効です。
企業のマーケティング担当者や人事担当者、決裁者のみなさんには、ここでご紹介した情報をZ世代に向けた対策を検討する際の、参考にしていただければ幸いです。